不動産を共有財産にする場合のメリット・デメリット

ひとりの財産としてではなく、誰かと共有する財産としての管理を目的とする共有名義ですが、どのようなメリットとデメリットが考えられるのでしょうか?最近では、家の購入の際だけではなく、相続時における場面でも、多くの方が検討されているようです。一部ではデメリットの方が多いともされる共有財産の所有ですが、まずは事実を冷静に見つめ直し、本当に自分たちに合った選択ができるようにしたいですよね。

共有名義とは?単独名義との違い

まず、何よりもはじめて理解しておきたいのは、そもそも単独名義と共有名義にはどのような違いがあるのか、という根本的な疑問ではないでしょうか。不動産の購入をしたり相続したりする場合には、権利を保護やさまざまな円滑な取引を促すために登記が必要になります。そして、その登記方法には、単独登記、共有登記、区分登記といった種類が存在します。

同じく、不動産の管理にも、1名が所有するとする単独名義と複数名が共同して所有するとする共有名義があり、どちらか一方を選択することが必要となります。登記する名義次第で、税金の納め方なども変わってきますし、将来、何かがあった際などには、対処方法なども異なってきますので、ある程度内容を把握しておくことが必要です。

多くの方が夫婦で住まいを購入すると思いますが、登記について見てみると、一般的には、単独名義での登記が多いようです。しかし、夫婦2人ともが収入を得ている、いわゆる共働きの家庭などでは、ペアローンを組むこともそれほどめずらしくはありませんし、それに伴い、共有名義での登記をしているケースもあるようです。出資者が名義人になるのが登記の原則ですので、単独で購入する場合は単独名義、そして、誰かと一緒に購入する場合は共有名義とするのがあるべき姿と言えます。

単独名義として登記する場合は、出資金の割合などは考慮せずに済みますが、共有名義で登記する場合は、法的にはそれぞれに所有権が発生しますので、実際の購入額やそれぞれの出資額などを考慮し、事実に基づいて算出した正しい割合での登記をすることが、万が一の事態に備えるといった意味でも重要になります。

不動産を共有財産で取得する場合のメリット

では、単独名義としてではなく、共有名義としての運用を決定した場合のメリットについて、考えてみましょう。よく、共有名義での一番のメリットとされるのは、税金に関してのメリットです。例えば、夫婦で住宅ローンを使い住まいを購入した場合、共有名義にすることで、住宅借入金等特別控除や住宅ローン控除とも言われる住宅ローン減税制度を、それぞれの収入に適用することができるようになっています。

定められたいくつかの条件をすべて満たす必要がありますが、10年間に渡り、所得税と住民税の2種類の税金の減税がのぞめるため、非常にメリットが大きいと言えるのではないでしょうか。また、何らかの理由があり、居住用財産としての不動産の売却取引をした場合には、特別控除として、譲渡所得から最高3000万円までが認められるといった制度も存在します。家屋が共有ではないとならない、確定申告が必須などの条件はありますが、控除額から見ると、とても大きなメリットです。

さらには、夫婦のどちらかが亡くなるといった場合の相続税についても、共有名義の場合では、かなり税金が少なくなるというメリットもあります。とくに、住まい購入にあたって、夫婦がともに出資し、購入したというような家庭で知っておきたいのは、贈与税に関するメリットではないでしょうか。

一定の条件下では、単独名義で登記をすることによって贈与税が発生します。しかし、本来の正しいかたちである共有名義での登記にしていると、贈与税が課税されなくなるといったメリットとしてあげられます。

不動産を共有財産で取得する場合のデメリット

逆に、不動産を共有名義にしていることで考えられるデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?まず、一番はじめの登記の際に考慮したいのは、その登記にかかる費用です。単独名義では一回分の費用と手間で済みますが、共有名義では、当然、費用も手間も倍になります。そのほか、いくつか考えられるデメリットの中でも一番のポイントとされるのは、不動産の売却をする場合です。

複数の共有者がいる場合は、当然、すべての共有者の承諾が必要になりますので、売却したいのになかなかすることができないといったような状況を作り出してしまう可能性があります。これについては、離婚などの状況が発生した場合にも同様で、離婚による財産分与が必要となった際に、大きな問題となることが多いようです。

また、住まい購入当時は共働きだったためにペアローンを組んだものの、後に退職などにより、どちらかの安定した収入がなくなり、住宅ローンをどちらか1名が建て替えて支払うことになった場合などにも、共有名義にしていることによって、贈与税が生まれる条件下になる可能性がありますので、注意が必要となります。

そのほか、共有名義人が亡くなり、相続が必要になった場合など、共有名義人が相続人を含めることによって徐々に増加してしまう可能性がある点も、デメリットとしてあげられることがあります。なお一度、共有名義で登記したものを単独名義に変更することも可能ではありますが、住宅ローンに関する金融機関からの承諾が必要になったり、変更そのものにかかる費用が必要になったり、という手間も増えてしまいますので、共有名義での登記を考えている場合には、そのデメリットをあらかじめしっかりと認識した上での決定をおすすめします。

まとめ

不動産を共有財産として所有することのメリットとデメリットについて、いろいろあげてみましたが、いかがでしたでしょうか?単独名義に比べ、メリットよりもデメリットの方が多いとされることの多い共有名義ですが、今回、共有名義が持つメリットについてもくわしくご紹介させていただきましたので、両者の特徴をよく理解いただけたのではないでしょうか。ご家庭などの状況などとよく照らし合わせ、専門家の意見も参考にしながら、最終的に後悔のない方を選択していただければと思います。

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